はじめてのフランス一人旅 Vol.11 ~ サン・レミ・ド・プロヴァンス / ゴッホへ思いを馳せて | シャンブル・ミルフィーユ Chambre Mille Feuilles

2020/10/25 03:03

今日でこの旅も終わり。
旅の最後の1日をどう過ごすか、実は決めていませんでした。
自分の足で何処まで行けるかは、まずは行ってみないとわからないと思っていたから。

このままリルシューラソルグを満喫するか、行き慣れたアヴィニョンを回るか。
ちょっと足を伸ばして、以前泊まったアプト、もしくは途中下車のボニューに行くか。
何となく考えていたけれど、一昨日行ったアルルの帰りに通り過ぎただけの
サン・レミ・ド・プロヴァンスが気になっていました。

そこには、ゴッホがあの事件の後収容されたサン=ポール=ド=モーゾール修道院 
St.paul de Mausole があります。
ノストラダムス生誕の地としても有名ですが、そっちにはあまり興味のない私です。

今朝は気温もちょっと下がって、風がかなり強くて、これがまさにプロヴァンス地方特有のミストラル!?
そんなお天気とは言え、そこならアヴィニョンからバスで行けるので、思い切って出発しました。


ここでちょっとアヴィニョンのバス停をご紹介。
広いのですが地下にあって、薄暗いバス停なのでちょっと怖い雰囲気!?


  
でもここを起点に路線バスが出ていて、エクスアン・プロヴァンス、オランジェ、ポンデュガール、
ニーム、カルパントラへと・・・・プロヴァンスの風景を楽しみながら安価で移動出来ます。
ただ本数が多くはないことと、季節によって運休もある・・・ので要注意です。

この時、11:00発のサンレミ行きのバスに乗ったのかな。
終点のレピュブリックというバス停から、20分ほどなだらかな坂を登って行きます。

       
        
                 
              

                                                  

この道は、ゴッホ通りと名付けられ、道の途中途中にゴッホの絵があります。
アスファルトの消火栓?の蓋にも「Vincent」と彫られています。


坂を上り詰めると、オリーブ畑が広がり、アルピーユの山々がそびえています。
これが、ゴッホが描いたプロヴァンスの光。

          


ゴッホが最後に描いた『糸杉』は有名ですが、入り口にもプロヴァンスの象徴のように
高くそびえ立っていました。
                 

              
                 
    ひまわりを手にしたゴッホがお出迎え。
                 


修道院の厳かな静けさ。
光の差し込む回廊。
                     


              

この風景はこれまでに何度も、テレビや写真で見てきた風景。

そして2階にゴッホが押し込められた~と言ってもいい?
狭い小部屋がありました。


耳を切った後に描いた自画像が哀しすぎます。


         
鉄格子の小さな窓。


ここから見えるアルピーユの山々と、窓の下の今は花も刈られたラベンダーとアイリスの畑。
それしか見えないこの部屋で、彼は何を思ったのか。
ずっとずっと、彼は孤独だったんだろうといつも思っていました。
実際彼が収容されたのはこの部屋ではなかったらしいけれど、これに似たような部屋であることは間違いなく、
こんなところに押し込められて、その孤独の遣り場は絵を描くことで葬るしかなかったのだろうと思うと
胸がいっぱいになりました。

彼の苦しみは、皮肉にも美しく彩られた色の中に封じ込めてしまったのでしょうか。
それとも、このプロヴァンスの大自然と、あふれるばかりの光の中で
ひと時でも、彼は救われたのでしょうか。
だからあんなにも、色彩豊かで美しく、力強い絵を最後に残したのでしょうか。

まだこの部屋に、彼の魂があるような気がして、なかなか離れられませんでした。
     



また来よう。きっと、またいつか。
今度はラベンダー咲き乱れる季節に逢いに来ます。
そう心でつぶやいて、この部屋を後にしました。